ホームページを運用している経営者の方やマーケティング担当の方なら、最近ネットやSNSではこんな言葉を見かけたり、実際に営業を受けたりした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これからはAIの時代。SEOはもうオワコンです
AIOやLLMO対策やりましょうよ
……いやいや、ちょっと待ってよ、と(笑)。 せっかく予算も時間もかけて、これからホームページやブログを頑張って育てていこうと思っていた矢先に、こんな極端なニュースを見せられたら、誰だって不安になりますよね。私だって、もし自分がゼロからWeb集客を始める立場だったら、「え、今からSEOやるのって無駄なの?」って迷っちゃうと思います。
でも、先に私の結論をお伝えさせてください。
長くWebマーケティングの現場にいる経験から、「SEOはオワコン」なんてことは絶対にありません。むしろ、中小企業にとっては、これからが本当の意味での「大チャンス」だとすら思っています。
じゃあ、なぜ世間ではあれほど「SEOは死んだ」「オワコンだ」と大騒ぎされているのか。
今回は、巷に溢れる噂の「生々しい裏側」を解き明かしながら、これからのAI時代に私たち中小企業がホームページを使ってどう戦っていくべきなのか。小手先のテクニックではなく、もっと本質的な「これからの情報発信のあり方」について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
ぶっちゃけ「何が」オワコンになったのか?
まず、一番大切な事実から整理していきましょう。 世の中で言われている「SEOはオワコン」という言葉。これ、主語がちょっと大きすぎるというのが私の考えです。正しくは、すべてのSEOが終わったわけではなく、「ある特定のやり方のSEO」が完全に終了した、というのが事の本質なのではないでしょうか。
じゃあ、どんなSEOが終わったのか。 一言で言えば、「AIにキーワードを放り込んで、3分で作らせたような手抜き記事やコンテンツでアクセスを集める手法」です。タイトルにも書いた通り、今「SEOはオワコンだ!」と声を大にして嘆いている人の多くは、実はこういう手抜き記事を量産して楽に稼ごうとしていた人たちなんですね。
少しだけ、ここ数年のWeb業界の裏話をさせてください。
そこへ登場したのが、ご存知の「生成AI」です。
AIを使えば、それっぽい綺麗で論理的な文章なんて、一瞬で、しかも大量に作れてしまいます。人間が3日かけて書くような2万文字の記事を、AIなら3分で、1回数十円のコストで吐き出してくれる。
「これはいいぞ!」と、一部のマーケターやアフィリエイターたちは大喜びしました。AIを使って、どこかで見たことがあるような「まとめ記事」や「ノウハウブログ」を毎日数十本、数百本とネット上に垂れ流し始めたのです。
その結果、何が起きたか。 インターネットの海が、「誰が書いても同じような、綺麗だけど心に全く刺さらないクローン記事」で埋め尽くされてしまいました。
皆さんも、スマホで何かを検索したときに、「どのサイトを見ても、同じような目次と同じような結論しか書いてなくて、ちっとも参考にならないな……」とガッカリした経験はありませんか? あれ、まさにAIの量産型手抜き記事を踏んづけちゃっている状態なんです。
当然、Googleは強い危機感を抱きました。 「こんな薄っぺらいAIのコピペ記事ばかりが検索上位を占めていたら、ユーザーがGoogleを使ってくれなくなってしまう」と。
そこでGoogleは、検索エンジンの仕組みをガラッとアップデートしました。小手先の文字数稼ぎや、AIに丸投げして作った中身のないコンテンツを、検索結果から容赦なく一斉に排除し始めたのです。昨日までアクセスが数十万あったサイトが、ある日突然、検索結果の圏外に吹き飛ぶ。そんな血の雨が降るような出来事が、今、Web業界の裏側でリアルに起きています。
だからこそ、彼らは叫んでいるのです。「SEOはオワコンだ」と。 でもこれ、冷静に考えたら、ちょっとおかしいと思いませんか?
終わったのはSEOという仕組みそのものではなく、「パソコンの前から一歩も動かずに、AIを使って楽してアクセスを稼ごうとしたズボラな手法」なのです。
成果の出ないサイトがやっている、2つの「オワコンSEO」
こうした「AIによる記事量産」をしていなくても、多くの会社が知らず知らずのうちに別の意味での「オワコンSEO」に足を突っ込んでしまっています。これまで多くの経営者の方とお話ししてきて、成果が出ないホームページに共通する「致命的なSEO」は、大きく分けて次の2つです。
いまだに「キーワードの数」で勝負できると思っている(小手先のSEO)
「検索上位を狙うために、タイトルや本文に『東京 外壁塗装 おすすめ』というキーワードを何回くらい入れればいいですか?」 いまだに、打ち合わせの席で真顔でこう質問される担当者の方がいらっしゃいます。
大変失礼ながら、、、それ、10年前のノウハウです。 今の検索エンジンは、キーワードが何回入っているかという「数」なんて見ていません。そのページ全体が「ユーザーの検索意図(知りたいこと)にどれだけ誠実に応えているか」を、完全に文脈で読んでいます。
記号のようにキーワードを機械的に散りばめるような、そんな小手先のテクニックに貴重な予算や時間を割いていること自体が、すでにオワコンなんです。
「使いやすさ」を完全無視している(ユーザビリティの欠如)
もう一つの致命的なのが、SEOで順位を上げて「アクセス(PV)を増やすこと」そのものがゴールになってしまっているケースです。
せっかく良い記事を書いて検索上位に入り、サイトに人が集まるようになったとします。でも、いざそのサイトに訪れたユーザーの目線になってみると、どうでしょうか。
- スマホで見たら、文字がギチギチに詰まっていて読む気が失せる
- メニューボタンがどこにあるか分からず、欲しい情報に辿り着けない
- 問い合わせフォームの項目が多すぎて、途中で面倒になって画面を閉じる
これ、画面の向こうのお客様に強烈なストレスを与えて、自ら顧客を追い返しているのと同じですよね。 「検索エンジンのロボット」に好かれる対策ばかりを必死に追いかけて、目の前にいる「生身の人間(ユーザー)」への配慮(ユーザビリティ)を完全に忘れてしまっている。そんなおもてなしの精神がないサイトは、どれだけアクセスを集めたところで、なかなか問い合わせには繋がりません。
結局のところ、オワコンだと嘆いているサイトは、共通して「画面の向こうにいる顧客をまったく見ていない」のです。
検索ユーザーの心理を「広告心理学」の視点で覗いてみる
ここで少し、私の専門である「広告心理学・消費者心理学」の視点から、私たちが「検索する瞬間」の頭の中を覗いてみましょう。
なぜ、AIがどれだけ進化して、検索の形がどんなに変わっても、SEOの本質(=自社の情報を見つけてもらうこと)が廃れないのか。その理由は、人間の「悩みを解決したいときの購買心理」にあります。
想像してみてください。 皆さんが、何か重大な買い物をするとき。例えば、自社のオフィスを移転するための物件探しだったり、数百万かかる生産管理システムの導入だったり、あるいは個人的なことなら、大切な家族が大きな病気にかかって名医を探しているとき。
AIのチャット画面に向かって、「おすすめのオフィス移転会社を3つ教えて」と聞いて、画面に出てきたテキストの答えだけで、「よし、じゃあこの会社に契約の電話をしよう!」って決められますか?
……きっと、決められないですよね。
AIが提示してくれる答えは、あくまで「平均的な正解」や「情報の要約」にすぎません。 人間は、本当に失敗したくない買い物をするとき、あるいは真剣に悩んでいるときほど、次のような心理プロセスを辿ります。
「信頼できる根拠」を目で確かめたい
「自分と同じような状況の人」の口コミを読みたい
「どんな思想を持った人」が運営している会社なのかを知りたい
つまり、AIが教えてくれる「文字情報の要約」だけでは満足できず、結局は、そのサービスの提供元である「企業のホームページ」に直接足を運び、自分自身の目でじっくりと確かめたくなる生き物なのです。特にBtoBのビジネスや、高単価な商材、一生に数回しか買わないようなサービスを扱っている会社ほど、この傾向は顕著です。
だからこそ、検索して辿り着いた先のホームページに、ユーザーの不安を解消する「生々しい答え」が書いてあることの価値は、AI時代だからこそ、以前よりも何倍も高くなっている。私はそう確信しています。
AI時代に、私たち中小企業に大チャンスが来ている理由
でも、大手のメディアや有名企業が大量の予算を使って綺麗な記事を書いてきたら、やっぱりうちのような中小企業は勝てないんじゃないか?
そんな風に思われるかもしれません。 でも、実はここからが、私が「中小企業にとって大チャンス到来だ」と言い切る一番の理由です。
今起きている変化は、言い換えれば「綺麗でスマートな文章の価値暴落」です。 大手企業が外注のライターにお金を払って書かせたような、どこかお上品で、教科書通りの「綺麗な記事」。これ、今のAIを使えば、中小企業でも一瞬で作れるようになってしまいましたよね。つまり、大手企業の最大の武器だった「予算を使って、綺麗で正しい情報を大量に発信する」という優位性が、AIによって完全に無力化されてしまったんです。
じゃあ、これからの時代、検索エンジンからも、そして何より「未来の顧客」からも圧倒的に選ばれるのはどんな情報でしょうか?
それは、AIがどれだけ逆立ちしても手に入れることができない、「あなたの中にしかない、リアルな情報」です。
たとえば、こんな情報です。
「先週、営業先で50代の社長からリアルに相談された、ちょっとニッチな悩みの話」
「自社の職人が、工場の片隅で10年かけて失敗を繰り返しながら、ようやく開発した製品の裏話」
「サービスを導入してくれたお客様が、導入初期にどんなことでつまずき、どうやって乗り越えたかの話」
どうでしょうか。 これらの中身って、インターネットのどこを探しても、絶対にデータとして落ちていないですよね。AIがどれだけ過去の膨大なデータを学習しても、皆さんの会社の「現場」で昨日起きたドラマを推測して書くことは、物理的に不可能なのです。
大手企業は、組織が大きすぎるがゆえに、こうした「現場の生々しいリアルな話」をいちいち記事にして発信することが苦手です。コンプライアンスの壁があったり、社内の承認プロセスが面倒だったりして、どうしても当たり障りのない「綺麗な情報」にまとまってしまいがちです。
一方で、私たち中小企業はどうでしょうか。 社長の決断一つで、今日の午前中に現場で起きたハプニングや、お客様からいただいたお褒めの言葉を、午後にはそのまま自社の言葉としてホームページにアップすることができます。
- 大手企業: 当たり障りのない「綺麗な二次情報」になってしまいがち。
- 中小企業: 熱量のある「泥臭い一次情報」をスピーディーに出せる。
戦うルールが「文章の綺麗さ」から「情報の生々しさ・熱量」に変わった。これって、全社を巻き込んでフットワーク軽く動ける中小企業にとって、めちゃくちゃ有利な時代が来たと思いませんか?
教科書通りのSEO記事が全滅している今だからこそ、自社の「リアル」を実直に発信し続けた会社が、検索結果を独占できる仕組みになっているのです。じになってしまいます。これでは、どれだけアクセスがあっても、問い合わせに繋がらないのは当然ですよね。
まとめ:これからのSEOは、テクニックではなく「生き様」の発信
「SEOはオワコンか?」という問いに対して、私なりの答えを最後にもう一度お伝えします。
でも、自社の強みを必要としている未来の顧客に向けて、「私たちは、こういう想いで、日々こんな風に仕事に向き合っています」という、会社の「生き様」をインターネット上に実直に書き残していくSEOは、これからも絶対に無くなりません。
むしろ、ネット上がAIの安易な言葉で溢れかえっているからこそ、人間味のある、血の通った文章の価値は、驚くほど高くなっています。
難しく考える必要はまったくありません。 明日からの情報発信は、パソコンの前でGoogleの顔色を伺いながら記事を書くのを一度やめてみませんか?その代わりに、昨日営業先でお客様が喜んでくれた話や、製造現場でスタッフがこだわっているポイントを、そのまま自分の言葉で書き写してみてください。
それだけで、AIには絶対に真似できない、検索エンジンからも未来の顧客からも愛される、最高のWebサイトへの第一歩が始まります。
皆さんの会社の中には、まだ世の中に知られていない、素晴らしい「一次情報」がたくさん眠っているはずです。それをWebというツールを使って、正しく社会に届けていく。そんなワクワクするようなWeb戦略を、ぜひ一緒に進めていきましょう!
この記事を読んだ後に考えてみたい3つの質問
この記事を最後まで読んでくださったあなたに、ぜひ考えてみてほしい3つの問いかけです。
最近、自社のホームページに「自社にしか書けない、泥臭いリアルな話」を載せましたか?
皆さんがお客さんとして他社のサイトを見るとき、
教科書通りの綺麗な文章と、社長の熱い本音、どちらを信用しますか?
明日、社員に「最近お客様からどんな質問や相談があった?」と声を掛けてみませんか?
組織を巻き込んだWeb戦略に迷ったら
自社の中に眠っている一次情報が何なのか、自分たちではよく分からない
現場を巻き込んでブログを更新していく仕組みをどう作ればいいか悩む
そんなときは、私たちwebminare(ウェブミナーレ)をぜひ頼ってください。 私たちは、単にホームページを綺麗に整えるだけの会社ではありません。大槻がこれまでの経験を活かし、皆さんの社内へ泥臭く入り込んで、組織全体を巻き込みながら「事業が勝手に成長していくWebの仕組み」を一緒に作っていきます。
AI時代だからこそ、他社に負けない「御社だけの強み」を世の中に届ける伴走者として、まずは気軽にお茶を飲むような感覚で、モヤモヤしていることを聞かせてください!
