「シミュレーション通りにいかないので代理店変えます」を半年ごとに繰り返しているあなたへ。

「シミュレーション通りにいかないので代理店変えます」を半年ごとに繰り返しているあなたへ。

今お願いしている広告代理店が全然ダメで

シミュレーションの半分も成果が出ないんです

時折このような切実なご相談をいただくことがあります。お話を伺うと、半年前に複数の代理店を集めてコンペを行い、一番綺麗で魅力的な「成果予測(シミュレーション)」を出してくれた会社を、社内で厳正に審査して選んだとのこと。

……うーん、実にもったいないなぁ、と心の中でこっそりため息をついてしまいます。社長をはじめ、社内の皆さんが本当に真面目に、それこそ失敗しないように慎重に選んだはずなのに、なぜか半年後にはまた同じ「代理店探し」のスタートラインに戻ってしまっている。

大変耳の痛い話かもしれませんが、先に私の結論をお伝えさせてください。

もし皆さんが、広告代理店を選ぶ基準として、彼らが持ってくる「綺麗なシミュレーションの数字」を一番の安心材料にしているとしたら……。おそらく、この先どこの代理店に変えたとしても、半年後に同じ不満を抱えてリセットボタンを押すことになる可能性が非常に高いです。

少し意地悪な言い方になってしまいましたね(笑)。ただ、これまで200社以上の現場を見てきた私からすれば、あのシミュレーションという文化は「魔物」そのものです。中小企業の社長がどれだけ慎重に選んでも、あの罠を自力で見抜くのは、構造的にほぼ不可能なのです。

今回は、なぜシミュレーションを信じ過ぎると失敗するのか。目先の安心材料よりも本当に見るべき「パートナーの選び方」について。そんなことをお話ししたいと思います。

目次

ぶっちゃけ、あの数字はただの「数値遊び」ですよという話

各方面からお叱りを受けるかもしれませんが、事実です。

広告代理店の営業マンが打ち合わせの席で、プロジェクターに映し出すあの美しいExcelやPowerPointのスライド。そこに並ぶ「アクセス数」「クリック率」「コンバージョン単価」「コンバージョン率」といった緻密な数字の数々。

あれを見て、「いいね、この予測なら」と代理店を選んだことがある方、いるんじゃないでしょうか?

でも、一度立ち止まって考えてみましょう。あのシミュレーションの数字って、どのくらい確かな数値なんでしょうか?そのシミュレーションの数値が出来上がるまでの少し生々しい話を、これからしたいと思います。

現場あるある:目標から逆算する「辻褄合わせ」

  • 「予算は月50万円、目標CPAは1万円で」とお客様言われる。
  • 「ということは、月に50件のCVが必要だな」と逆算する。
  • 「この業界の平均CVRはだいたい1%だから、逆算すると5,000クリック必要だな」と考える
  • 「50万円で5,000クリック必要ってことは、CPCは100円か。」と残った箇所を穴埋めする
用語解説

※ CV ••• コンバージョン。広告で実現したい成果。資料請求や注文数など
※ CPA ••• コンバージョン単価。1件あたりの「広告の成果」にかかった費用
※ CVR ••• クリックに対して、コンバージョンに至った割合
※ CPC ••• クリック単価。1件あたりの「クリック」にかかった費用

はい。計算がピッタリ合いました。
合いましたが……これ、実はパズルのピースを少しいじっただけであるとお気づきでしょうか?

さらに、社長から「うーん、このCPAは少し高いな。もっと安く獲れない?」と言われれば、なんと翌日には当初の試算よりCPAが20%も安くなった新しいシミュレーションが、何食わぬ顔で再提出されます。

これ、冷静に考えたらめちゃくちゃ奇妙だと思いませんか? 一晩の間に、インターネット上の市場環境がガラッと変わったわけでもなければ、検索しているユーザーの心理が変わったわけでもありません。現実は何一つ変わっていないのに、パソコンの画面上の数字だけが、社長の要望に合わせて都合よく書き換わっている。

これって、もはや「成果の予測」ではなく、ただの「社長を安心させて契約を獲るための数値遊び」ですよね。

コンペになれば、代理店側も仕事が欲しいですから、数字を少しでも魅力的に見せようとします。「うちのノウハウがあれば、コンバージョン率は1.5%までいけます!」なんて、根拠のない色をつけた数字が、平気でスライドに踊ることになります。

もっというと、コンペの席に座っている、スーツをピシッと着こなした優秀そうな営業マンやプランナー。彼らの多くは、契約を獲るまでの「営業のプロ」であって、実際にあなたの会社のお金を運用する「現場の人間」ではありません。営業マンの評価は「コンペに勝って受注したかどうか」です。だからこそ、一晩でいくらでも数字をお化粧直しできるのです。

社長が「A社は30件だけど、B社は50件獲得できるってシミュレーションを出してくれたから、B社にしよう!」と決めるのは、実は「どっちの代理店が、より魅力的な数値を提示してくれたか」という、不毛なゲームに参加してしまっているのと同じなんです。

これでは、半年後に「話が違うじゃないか!」と揉めるのは、ある意味で最初から約束されていた未来と言えるのかもしれません。

なぜシミュレーションは外れるのか。誰も言わない3つの構造的問題

「でも代理店はプロなんだから、過去のデータからある程度の予測は立てられるんじゃないの?」

そう思われるのも無理はありません。しかし、Webマーケティングの構造的な裏側を知っていれば、まだ運用も始めていない広告の成果を事前に完璧に予測することは、極めて困難であることがわかるはずです。

シミュレーションがどうしても実態の伴わない「妥当性のない数値」になりがちなのはなぜか。それは、成果を左右するはずの次の3つの要素が抜け落ちているケースがほとんどだからです。

① まだ配信設計がないのに、成果だけ予測している

多くの場合、コンペ段階のシミュレーションは「具体的にどのようなアカウント構成で」「誰に」「どのキーワードで」「どんな広告文や画像で」「どこへ誘導するか」という配信設計が固まっていない状態で弾き出されることが多いです。まだ何も決まっていないのに成果だけ約束しているこの状況に、一体どれほどの妥当性があるのでしょうか。家を建てる設計図がないのに、見積もり金額だけが正確に決まっているようなものです。

② オークション市場だから、そもそも未来予測しづらい

Web広告の世界は、皆さんの会社と広告代理店の2者だけで完結しているわけではありません。画面の向こうには、数え切れないほどの競合他社がいます。

そしてWeb広告の露出量や価格は、リアルタイムの入札(オークション)制です。運用を始めた翌週に、大手企業が10倍の予算を投じて同じキーワードを買い占めてくるかもしれない。明日、ライバルがどんな予算でどんな手を打ってくるかなど、誰にも予測できません。変動することが大前提の市場において、固定された未来の数字を信じること自体に無理があるのです。

③ サイトの「穴」を考慮していないケースが多い

広告をクリックしたユーザーが辿り着く「LP(ランディングページ)や自社サイト」の受け皿としての構造を、検証・分析していないケースが多すぎます。どれだけ広告で質の高いアクセスを集めても、受け皿に欠陥があれば、予算は一瞬で溶けてなくなります。

例えば、直帰率やフォーム遷移率といった「足元のボトルネック」を無視したまま、ただの業界平均値(CVR1%など)を当てはめた数字に一体何の意味があるのでしょうか。バケツの底に「致命的な穴」が空いているかもしれないのに、蛇口から流す水の量(広告費)だけを計算しているから、いざ始めてみたら1ヶ月目から大爆死するのです。

半年ごとに代理店を変えるとなぜダメなのか?

ここからが、今日一番皆さんにお伝えしたい本質であり、最も恐ろしい真実です。

シミュレーションが外れたからといって、半年ごとに「はい、次の代理店!」と変えている会社は、お金だけでなく、Web集客において最も価値のある自社のデータ(経験値)」をドブに捨て続けていると言っても過言ではありません。

想像してみてください。最初の半年間、広告を出して成果が出なかったとします。しかしそこには、「このキーワードは全く成果につながらない」「この広告文はクリックされるけど、サイト内で離脱される」という、数万円、数十万円を払って手に入れた「貴重な失敗のデータ」が確実に残っています。

本来であれば、そのデータこそが自社の唯一無二の資産であり、「じゃあ次はこう改善しよう」という次の打率を上げるための参考書になるはずなんです。

それなのに、成果が出ないからと半年で代理店を変えてしまうとどうなるか。

新しい代理店は、当然コンペを勝ち抜くために、また「新しい綺麗なシミュレーション」を引っさげてやってきます。そして、過去の失敗データには目もくれず、自分たちのやり方で、またゼロから広告を出し始めるのです。

つまり、代理店を半年ごとに変えるということは、「高いお金を払って失敗テストを繰り返し、そのデータを毎回ゴミ箱に捨てて、また別の会社にゼロから同じ失敗テストをさせている」ということ。

これ、ゾッとしませんか? どれだけ予算があっても足りません。半年ごとにリセットボタンを押している限り、御社のWeb集客のレベルは10年経っても「入社1ヶ月目の新米」のままなんです。成果が出ない本当の理由は、代理店のスキルではなく、この「資産をリセットし続ける構造」そのものにあるのです。

目先の安心材料より、代理店の「ここ」を見よう

では、私たちは何を基準に広告のパートナーを選べばいいのでしょうか。コンペの席で、机の上に並んだ提案書を見比べるとき、見るべきは「外れて当たり前の未来の数字」ではありません。

本当にチェックすべきなのは、「もし、このシミュレーションが外れてしまった時に、あなたたちはどんな視点で仮説を立てて、どう動き直してくれますか?」という、彼らの思考のプロセスと当事者意識です。

私がもし、自社の広告をどこかの代理店に任せる立場だったら、次のような提案をしてくる会社を圧倒的に信頼します。

社長、業界の相場から逆算したシミュレーションは作りましたが、ぶっちゃけこれ、やってみないと分かりません。なぜなら、御社のホームページの今の導線だと、広告から入ってきたユーザーが途中で離脱してしまうリスクがかなり高いからです。 なので、最初の1ヶ月は予算を3分の1に抑えて、まずは3つの異なるパターンの広告をテストさせてください。そこで溜まったリアルなデータを見てから、本予算をどこに投入するか、一緒に頭を悩ませませんか?

最初から満点に見える計画書を出してくる会社よりも、「ここは分からないから、一緒にテストして検証しましょう」と、自社のビジネスの弱点やリスクを誠実に指摘してくれる会社。それこそが、半年後に社長を笑顔にしてくれる本物のパートナーだと私は思うのです。弊社も常にそうありたいと考えています。

綺麗に飾られた3C分析のスライドや、他社の事例を並べただけの提案書よりも、「御社の今のホームページ、ここが離脱ポイントになっていますよ」と1点指摘してくる会社の方が、よっぽどビジネスの現場を見ています。

まとめ:信じるに値する「本物のシミュレーション」とは

「シミュレーション通りにいかないので、代理店を変える」

その不毛なループから抜け出すために、経営者として最も大切なマインドセット。それは、Web広告を、お金を入れれば決まった成果が出てくる「自動販売機」だと思わないことです。

Web広告の本質とは、自社の強みや思想をインターネットという広大な市場にぶつけ、顧客のリアルな反応をデータとして回収する「終わりなき実験」です。

机の上で綺麗に数字を並べるだけの「絵描き」のような代理店は、世の中に星の数ほどあります。微調整を繰り返して「社長の好みの数字」に合わせてくれる優しい会社も多いでしょう。でも、皆さんの会社に必要なのは、自社のビジネスを深く考えてくれる「信頼できる相棒」のはずです。

目先の安易な数字の安心感にすがるのをやめて、圧倒的な熱量を持って自社に寄り添ってくれる、本物のパートナーをぜひ見極めてください。その見極めの目を持つことこそが、経営者として最も重要なWeb戦略の第一歩なのですから。

相棒としての「パートナー選び」に迷ったときは

今の代理店の毎月の定例会、
ぶっちゃけ何言ってるか分からなくて煙に巻かれている気がする

シミュレーションの数字の良し悪しではなく、
自社のビジネスに真剣に向き合ってくれるパートナーが欲しい

そんなときは、ぜひ私たちWebminare(ウェブミナーレ)を頼ってください。私たちは、単に広告のアカウントを運用して綺麗なレポートを出すだけの会社ではありません。代理店が出してくる数字の「嘘と真実」を見極める通訳となり、あるいは私たち自身が御社のチームの一員として、成果が出るまでしつこく実験を繰り返し、事業に伴走します。

目先の安心にすがるのをやめて、本当に事業が成長するWeb広告のあり方を、一緒に作っていきませんか?まずは今の代理店へのちょっとした愚痴、いつでもこっそりお聞きしますよ(笑)。

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この記事を書いた人

株式会社Office Webminare 代表取締役CEO
業界15年目。大学で広告・消費者心理学を専攻後、大手広告代理店でSEO対策、サイト制作、Web広告を統合した戦略設計に従事。これまで大小200社以上のデジタルマーケティングを成功に導く。単なるホームページ制作やSEOの提案にとどまらず、社内の組織づくりから一緒に巻き込み、事業が成長するまで泥臭く伴走するのが得意。認定心理士やワインエキスパートの顔も持つ。最近の悩みは体重増加と体力減少(笑)。